今日も、なんともエスプレッソな1日だった。
鹿児島中央駅前での路上ライブを終え、街灯のない不慣れな夜の山道を中古のHONDAステップワゴンがちんたら走る。
ツアー中は、一日一日が実に”濃い”。
濃過ぎて胃に穴が空きそうなくらい充実している。
弟はそれを鹿児島の焼酎に例えたが、俺はコーヒーに例えてみる。
と言うのも今日は郡山町にある「Rich」と言うカフェでライブだったのだ。
普段はJazzが流れているであろう雪山のロッジ風なお洒落な空間は、ロックと笑い声に埋め尽くされ、本当に贅沢な時間を過ごすことができた。
カフェでのライブ後は鹿児島中央駅へ移動して路上ライブ。
こちらも昨日に引き続き大盛り上がり。
濃いなぁ、実に。
この濃さだとまたブログ長くなってしまいそうだからミルクと砂糖でちょっと薄めるべきか?
はたまたストレートに”ブラック”で綴ってゆくべきか。
1月10日(月・祝)、ツアー5日目。
この日の朝はなかなか布団から出れず、結局昼前までゴロゴロ。
ツアー初日のフェリーでの雑魚寝以来、眠れない夜が続いているのだ。
Sleepless nights。
でも、これはいわゆる「遠足前夜急性不眠症」と言うやつ。
脳が常に興奮状態になってしまっているのだ。
しばらくして、しょっこらよっと布団から立ち上がり、やっと一日を始める。
呆れたお天道様が、「まったくしょうがないねぇ」と言った感じで障子に開いた穴から陽の光を俺に少しおすそ分け。
今日もいい天気だ。
まずは霧島の天然温泉水「関平鉱泉」をコップ一杯胃袋に流し込む。
ゴクゴクゴク。
くぅぅう、うまい!
生ビールの最初の一口と同じリアクション。
なんなら泡ひげができた気分。
部屋の時計をチラッ。
オーマイゴッド、言ってもそんな時間ないじゃん!?(いつものパターン)
空想の泡ひげとガチの髭を整えて、歯を磨いたならレッツラゴー!
ぶぅ〜ん。(おならじゃなくて車の音)
俺らのステイしている横川から南西へ車を走らせ約45分、県道40号線沿いにカフェRichはある。
今日のイベントを共同企画してくれたのは、かれこれ7、8年ほど前に僕らの音楽に出会い、それ以来ずっと応援してくれている方。
今回僕らの全国路上ライブツアーのことを知り、連絡をくれたのだ。
現在鹿児島市内の大学に通っていて、彼女の所属している軽音サークルの方々の協力もあり本日のライブが実現した。
午後1時過ぎ、Richに到着。
雪山のロッジ風なカフェの中では、集まってくれた学生さんたちが既に自前のドラムキットを組み立て始めていた。
事前のやり取りで、一緒に演奏出来たらいいね!みたいな事を話していたのだ。
こんにちは!
いつも通り挨拶と自己紹介をして、俺らも早速セットアップ開始。
※PAはいないので、路上ライブ同様、マイクやギターアンプのボリュームなど一通り自分たちでサウンドチェックを行う。
(※ライブで音響全般の調整や管理を行う人のこと。)
ウッディーな空間が自然なリバーブを生み出し、寝ぼけたCの音ですら心地よくこだまする。
ふとカフェの入り口に目をやると、見覚えぼのある姿が。
その方も僕らをずっと応援してくれている方で、今日は他県から遥々遠征をしてライブを見にきてくれたのだ。
俺ら、愛されてるなぁ。笑
嬉しくて益々気合が入る。
準備を終え、車の中でささっと衣装に着替える。
さーてと、今日も楽しませてもらいますぜ!
【本日のセットリスト】
1 Snake bite / Silent siren
2 Unicorn
3 ツバメ返し
4 Can’t stop(レッチリのカバー)
5 Cube
6 Razor gazer w/ 軽音サークルメンバー
7 Nonkey Kong in the zoo
8 Too dark to live
9 Killing time w/ 軽音サークルメンバー
10 Once in a while
11 ペロレラレボリューション w/軽音サークルメンバー
アンコール
Nonkey Kong in the zoo w/軽音サークルメンバー
カフェと言うこともあり、オーディエンスとの距離も近いので、時折MCを挟んでみんなと交流しつつも、5曲目の「Cube」までほぼノンストップでテンポ良く演奏していく。
6曲目「Razor Gazer」でドラム、カホン、ギターに軽音サークルの学生さんたちを迎えて演奏。
俺はギターの代わりにキーボードを担当。
入りのタイミングだけ軽く合わせ、あとはぶっつけ本番。
究極の無茶振り。笑
にも関わらずみんなバッチリ合わせてくれる。
さすが軽音サークル!
2番の間奏明けで、更なる無茶振り。
ギター→ドラム→カホン
と言う順番でソロ回しを促す。
でもみんな物怖じせずにクールにソロを決めてゆく。
一周したところで歌に戻り、最後のサビを歌い上げてフィナーレ。
思わず勇敢な学生さんたちに俺らが拍手!
パチパチ×100
ちなみに彼らにやらすだけやらしておいて、自分たちはソロをとらないと言う悪いお兄さん達。笑
8曲目「Too dark to live」。
メジャー時代にリリースした楽曲で、2018年にアイルランドでソロ活動をしている時にも現地のパブでよく歌った曲。
ちなみに最初の「Silent siren」とこの曲、そして10曲目の「Once in a while」は今回のイベントを企画してくれたファンの方のリクエスト!
9曲目の「Killing Time」も先程の打楽器隊にカホンとコンガで参加してもらう。
こちらもぶっつけ本番。
想像以上にそれらの打楽器とアコースティックギターの交ざり合った音が心地よく、まるで春風が心を吹いたかの様。
なんだかんだ後半はほぼ一曲おきに学生さんを交えて演奏。
オーディエンスのみんなも手拍子やダンスで参加してくれて、終始楽しい雰囲気のライブとなった。
フェイスシールド越しに見えるついさっきまで初めましてだった顔も今は友の顔。
ギターのワンストロークが僕らを繋げてくれる。
不思議だなぁ。
このツアーをしていなかったらきっと出会っていなかったんだろうな。
改めてこのツアーの意義を感じると共に、こんな素敵な出会いを与えてれるファンの方々に感謝である。
ちなみにこのカフェは、先程カホンを叩いてくれた学生さんのご家族が経営していて、ライブ後には美味しいコーヒーとケーキを出してくれた。
何も知らずパクパクとケーキを食べていると、誰かが「実は今日はカホン君(仮名)の誕生日ですよ!」と教えてくれた。
お祝いもしないで人のバースデーケーキをむさぼる悪いお兄さんたち。笑
慌ててケーキをコーヒーで流し込み、ギターを手に取り”ハッピーバースデー”を歌う。
カホン君、お誕生日おめでとう!!
その後、彼のリクエスト「Nonkey Kong in the zoo」をアンコールとして演奏することに。
彼はこの曲が好きで事前に僕らのYouTubeチャンネル「GoodMoon Sessions」を見てドラムを練習してくれていたのだ。
ドラム、カホン、コンガを交えた5人体制でのノンコン、まるで自分がチンパンジーになってジャングルを駆け抜けているかの様な疾走感だった!
もっとみんなと一緒に演奏したかったが、我らは日が暮れる前に路上ライブへ行かねばならぬ。
最後に全員で記念写真を撮って帰り支度を始める。
去り際、カホン君の小学生の従兄弟が
「僕、GoodMoonの追っかけになろうかな。」
と一言。
「追っかけになったよ!」
じゃなくて
「なろうかな。」ってところがめちゃくちゃチャーミング。笑
余談だが、彼は県内のプログラミング大会で2位らしく、最初に会話をした時から頭の回転がめちゃくちゃ速い子だなぁ、と感心していた。
そしてライブ中も僕らのMCに面白おかしく返答してくれたり、Tomojiroがふざけて、「これから道路交通法違反しに行きます!」と言ったのに対し、「道路交通法違反がんばって来てください!」と返してきたりと、その天才ぶりを発揮していた。笑
名残惜しくもみんなに別れを告げ、悪いお兄さんたちは道路交通法違反をしに鹿児島中央駅へ出発。
ぶぅ〜ん。
今日の朝、渋々俺に陽の光をおすそ分けしてくれたお天道様も、路上ライブの準備が終わる頃にはいなくなってしまった。
「まったくしょうがないな〜。」
なんだかんだ、演奏を始めたのは6時頃。
明日は平日ということもあり人通りは少なめ。
ただ、先程のRichでのライブでばっちり元気をチャージできたので、今日もうまくいきそうな気がしてる。
まずは一曲目「Contrast」を演奏してみる。
すると思ってた以上の人々が足を止めてくれる。
続いて「Unicorn」。
これがオーディエンスの中にいた数人の新成人たちにビンゴだったらしく、彼らはその後消えてはまた現れを何度か繰り返し、最終的に群れをなして戻って来ることとなる。笑
路上ライブでKeyとなるのは、どれだけ自分たちが演奏を楽しめるか。
人を止める為に演奏する時ほど、人が止まらない時はない。
この日はなんだか楽しくて、人通りが少ない割には足を止めてくれる人が多く、時間はあっという間に過ぎていった。
しばらくすると先程の新成人が群れをなして戻って来た。笑
そして昨日の路上ライブ同様、俺らの目の前でダンス大会が始まる。
若さ溢れる新成人たちの舞。
いい、すごくいい。
老若男女問わず人々が自由に自分たちを表現するこの鹿児島の県民性、大好き。
結局最後は駅前の警備員に止められてしまったものの、集まってくれたオーディエンスのおかげで本当に楽しい路上ライブをすることができた。
みんな、本当にありがとう!!
ライブ後、地元の人が教えてくれたオススメの焼き鳥屋で、しこたま焼かれた鳥を買って帰路に立つ。
ぶぅ〜ん。
今日も、なんともエスプレッソな1日だった。
鹿児島中央駅前での路上ライブを終え、街灯のない不慣れな夜の山道を中古のHONDAステップワゴンがちんたら走る。
ただ、エスプレッソの様に濃い1日ではあったものの、そのカフェインは「遠足前夜急性不眠症」を患っている俺には足らず、重いまぶたをこじ開けるのに必死だ。
明日くらいはボケェ〜っと、何もせずにアメリカンコーヒーな一日でも過ごそうかしら。
【今回のブロガー:兄Kimitaro】